前回は、進化型すり合わせ開発の進め方「V字プロセスとRFLP〔R:要求(Requirement)→F:機能(Function)→L:論理(Logical)→P:物理(Physical)〕」のうち、F:機能の明確化について説明しました。今回からは2回に渡って、機能(働き)の実現手段である部品や要素技術をどのように検討し、システム構成を決めていくかのポイントを説明します。

機能の実現手段の検討とは

 今回から解説するステップの具体的なイメージをつかんでいただくために、ハイブリッド自動車を例に挙げて説明します。機能の明確化では、要求に応えるために「直流を交流へ変換する」「電力を駆動力に変換する」といった機能とその入出力を整理し、それぞれの目標値およびその伝達フロー(例:電力○○[kwh]をトルク◇◇[N・m]に変換する流れ)が物理や化学の原理原則(方程式など)に基づいて論理的に成り立っているかを机上で検証してきました。

 これに対して、機能の実現手段の検討は、「“インバータ”で電力を変換する」「“モータ”で電力をトルクに変換する」という具体的な部品や方式を考え、目標値達成が可能なシステムの構成を決めていく段階です(図1)。

機能の実現手段検討イメージ
図1●機能の実現手段検討のイメージ