フェアリングの半円錐部と半円筒部を一体化

 ②の部品の一体化の取り組みは、低コスト化と期間短縮、信頼性の向上を狙ったものだ。例えば、JAXA イプシロンロケットプロジェクトチーム プロジェクトマネージャの森田泰弘氏によれば、試験機では、フェアリング*1と呼ばれる部品において半円錐部と半円筒部を一体化した(図3)。

*1 フェアリング ロケットの最先端部に位置し、フェアリング内に収めた衛星などを打ち上げ時に発生する大きな音や振動、大気中を飛行する際に生じる摩擦熱などから守る部品。

イプシロンロケットのフェアリング(プロトタイプモデル)
図3●イプシロンロケットのフェアリング(プロトタイプモデル)
2013年4月9日に実施されたフェアリング分離放てき試験の様子から。提供:JAXA

 同氏によれば、「フェアリングは従来、半円錐部と半円筒部を別々に造ってくっ付けていた。それを、アルミニウム合金のハニカムを折り曲げて一体で造るように変えた」という。部品の一体化で部品点数を減らすことが可能となり、低コスト化と信頼性の向上が可能になった。さらに、出来上がりに近い形で発射場に持っていけるようになることから発射場での作業に要する期間の短縮にもつながったという。