「産業動向」サイトで、この1カ月間(7月21~8月20日)によく読まれた記事の上位20本は、右表のようになりました。今回のランキングで目立ったのは、2008年5月~2010年8月に連載した「技のココロ」が7本も入ったことです。

 この連載は、日本の伝統的なものづくりの技を取り上げ、分析しています。その視点は三つあります。一つ目は、技自体の検証。経験則で完成度を上げてきた技には、合理性があるはずです。それを現代的な視点で分析しています。二つ目は、「継承術」の検証。高度に組み上げられた技の体系を、どうやって代々伝えてきたかを解きほぐしまていす。そして三つ目が「時代性」の検証です。時代の変化をどう乗り切ってきたかを振り返り、今後のあり方を探っています。日ごろは開発や経営の最前線で働いておられる読者の方々に、「人と仕事」を通じて文化/芸術の奥深き世界に触れていただくことを目指した連載記事です。

 ランクインした「技のココロ」の記事は、「日本刀」を取り上げた5本(1位、2位、6位、15位、17位)と「表具」を取り上げた2本(9位と10位)ですが、連載では桶、茶陶、打刃物、漆器、袋、鋏(はさみ)、和紙、釜なども各テーマごとに5本程度の記事に分かれて掲載しています。先人の知恵と技に触れてみてください。

 ほかのランキング記事も見てみましょう。8月の夏休み特集として連載を始めた「スポーツトレーニングから学ぶビジネス能力向上術」が14位はランクインしました。サイバー大学教授の久保田氏が自らのテニス修行の経験を基に、オンライン学習の効果を検証し、ビジネススキルの向上策に応用するというストーリーです。先週、一挙に5回分を掲載しましたが、今後も月に1~2回くらいのペースで連載を続けていく予定です。

 ニュース記事も3本ほどランクインしています。17位、18位、20位の記事で、それぞれシャープ、NEC、東芝と、久々に国内メーカーの話題が入りました。