これからのPLMシステムフレームの参考点

 以上をまとめると、PLMシステムフレームの選択肢として、下記が言えるのではないかと考えている。

・アーキテクチャがオープン化され、標準モジュール化されていくことは必然の流れであり、産業を問わず国際的な水平分業が今以上に進んでいくので、構造変化を見据えた要件の実現を考慮する必要がある(例えば、業務プラットフォーム構築による海外拠点への現地開発設計機能移管を支援するなど)
・企業の利益創出活動(SCM、CRM、プロダクト・サポートなど)の中で最適なPLM選択肢がありえる(ここでいうPLMはコンセプトに近い)
・しかし、製品の品質とコストの作り込みは源流フェーズで7~8割方は決まってしまうので、それに貢献するCAD、PDM、PLMツールであること(統合化されているかは問わない)
・情報機器/情報家電産業は、固有の特徴(開発リードタイムが短い、販売とサポートを量販店に付託するなど)を盛り込む必要がある。(設計BOMの在り方、市場からのデータの収集・分析・反映強化など)

 以上、3回にわたりシステム選択の手順や考え方を述べた。多面的に検討して決めることの必要性を理解していただければ幸いである。次回は、今までのまとめをもって最終回としたい。

■参考文献
(1) 山崎文徳, 「アメリカ民間航空機産業における航空機技術の新たな展開」, 『立命館経営学』, 第48巻第4号(2009) ( http://r-cube.ritsumei.ac.jp/bitstream/10367/1045/1/30015870_484-11.pdf ).
(2) 日本貿易振興機構(ジェトロ), 「欧州の航空機器・部品に関する輸出マーケティング調査」, 2012年5月( http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000986/report.pdf ).