図1 活発な質疑応答が繰り広げられた
写真:立命館大学
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 赤外線センシングへの関心が高まっている。応用範囲が、温度分布を画像化するサーモグラフィからどんどん広がり、市場拡大への期待も膨らんでいるためだ。食肉の病原菌が感染した部位の判別、同じ色・形状の錠剤の識別、ガン細胞や静脈の位置の体外からの特定、介護・見守り向けの人体検知、運転手の呼気などから出るアルコールの検知、車載用の暗視装置(例えば「ナイトビジョン」)、ガス漏れ検知、建物や構造物の外壁に剥がれる恐れがあるかの診断…。安心・安全を支える中核技術として、多様な可能性を探る取り組みが進んでいる(関連記事)。

 2013年8月2日、赤外線センサに関するフォーラム「Infrared Array Sensor Forum 2013」が、立命館大学草津キャンパス(滋賀県草津市)で開催した(図1)。ここで調査会社のテクノ・システム・リサーチが発表した市場予測が会場を驚かせた。

 ここ数年横ばいだった非冷却線赤外線カメラ市場が今後急速に拡大、台数ベースで2020年に2012年推定の13倍近くに達するとした。外壁材の浮きを検査する建築診断や、車載向け暗視装置の市場が拡大すると見込むためだ。