記者になって十ウン年。そのうち6年間は、経営誌の記者を勤めていたこともあり、「組織のリーダーとは?」というお題をずっと考え続けてきました。数百人にも上る経営者の取材などを通して感じるのは、「良いリーダーは2種類に大別できる」ということです。その2種類とは…?

 「現状を維持/発展させていく人」と「現状を打破して新しい状況を創造していく人」の2種類であると私は思っています。組織の持続的な成長のためには、どちらかのリーダーシップだけではうまくいきません。現状を維持/発展させるだけでは新陳代謝が滞りますし、かといって現状を壊してばかりでも組織として安定しないからです。理想的なのは、これら2タイプのリーダーが交互に、あるいは協力し合いながらリーダーシップを執ることではないでしょうか。

 これを「組織とリーダー」ではなく「製品開発と技術者」に置き換えてみても、同様のことが言えるように思います。製品の性能を維持/発展させていくことが得意な技術者と、既存の常識に捉われずに革新的な製品を生み出すことが得意な技術者。やはり製品開発事業の持続的成長のためには、これら2タイプの技術者の長所を最大限に発揮できる環境をつくることが欠かせません。

 ところが、多くのメーカーが激しい競争環境にさらされている今、「それぞれの長所を…」などと悠長なことを言っていられなくなりつつあるのも事実です。つまり、タイプに関係なく、技術者は維持/発展業務と打破/創造業務の両方をこなさなければならない状況になってきているのです。

 そんな厳しい状況にある技術者には、既存の延長線上にないアイデアが求められているのではないでしょうか。こうした問題意識から、日経ものづくりでは現在、「イノベーションへの取り組み」というテーマでアンケートを実施しています。回答の締め切りは2013年8月7日(水)です。まだの方は、是非、以下のアンケート用URLにアクセスしていただければと思います。

【回答サイト】https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C019271ZK.html

 質問の内容は「イノベーションとは何?」「どのくらいの時間をイノベーション業務に充てている?」「あなたが考えるイノベーティブな製品とは?」などなど。皆さん、ふるってご参加ください。

 なお、アンケート結果は分析を加えた上で日経ものづくり2013年9月号の「数字で見る現場」*に掲載する予定です。雑誌の発行前に、このコラム(ものづくりエディターズ・ルーム@白金)でもアンケート結果の一部をお知らせいたします。

* 日経ものづくりに毎号掲載している「数字で見る現場」では毎月、製造業や技術者にとって重要な話題を調査テーマとして選び、Web上でアンケートを実施しています。