メカトロニクス製品は、多数の部品から構成されるメカの複雑な動きを、エレクトロニクスやソフトウエアを駆使して制御する。半導体製造装置や液晶製造装置といった、デジタル製品の開発に必要不可欠な装置や、工作機械やマシニングセンタといった製造装置が典型的なものであり、日本が競争力を保てる分野として有望だ。

 半面、これらの製造装置は一品ごとに特別な仕様を求められるようになってきた。最終製品の多様化が進んでいるため、それを製造する装置にも多様性が求められる。メカだけで対応しようとしても、部品のバラエティが際限なく増え、コスト負担が増し、品質の確保のための手間も膨大になる。

 この解決策の切り札がソフトである。ニーズに応じて制御ソフトを開発することで、同じメカの上で、多様なニーズに対応する製造装置を提供できる。すなわち、メカとソフトの擦り合わせを支援するITを上手に活用すれば、設計競争力のある製造装置を効率よく開発することが可能になる。