クルマの燃費をいかに向上するか。
Tech-On!のテーマサイト「クルマ」のこの1カ月間(2013年6月25日~7月22日)は、クルマという製品に搭載する新しいアーキテクチャーの覇権争いの話題で盛り上がりました。軸は、古くて新しい課題である燃費競争です。
アクセス・ランキングでダントツの1位は、クルマ・サイトの連載新コラム「和田憲一郎氏の一車両断」で掲載した「ユーザー心理を見誤った「プリウスPHV」」。三菱自動車で電気自動車(EV)「i-MiEV」のプロジェクト・マネージャーを務め、現在は電動化コンサルタントとして活躍する和田憲一郎氏による「プリウスPHV」の分析記事です。
帯に短し、たすきに長し
プリウスPHVは、2012年1月にトヨタ自動車が発売したプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)。家庭用電源で自動車に搭載した2次電池を充電し、数十kmを電気自動車として走行できるハイブリッド車です。ガソリンよりも割安な電気を利用して維持費を削減できることに加え、給油所に行く手間をある程度省けるメリットがあります。
和田氏は、トヨタが発売当初に目指した年間販売台数の半分程度にしか届いていない理由を、「同社がプリウスPHVをハイブリッド車の延長として位置付けたため」とみています。この位置付けでPHEVを見るユーザーは、ほぼ毎日のように必要な充電作業を煩わしいと考える。
逆に電気自動車と見るユーザーは充電をいとわないけれど、その割にプリウスPHVは電気自動車としての走行距離が短い。和田氏の分析は、「帯に短し、たすきに長し」という製品企画が、今のところプリウスPHVの苦戦につながっているということでしょう。
この指摘は賛否両論、少なからぬ読者がコメントを寄せました。