7月も中旬に入り、日本では夏のボーナス商戦も佳境にさしかかったという時期だろうか。経団連の発表した2013年夏季賞与・一時金の第1回集計によると、大手64社の平均支給額は84万6376円で、前年比7.37%増えた他、5年ぶりに80万円を超えたとのこと。財布のヒモを幾分緩めて買い物を検討している人もいることだろう。

 私が拠点としている中国では、ボーナスの支給は春節(旧正月)直前の1回のみという企業が大半。よって夏のボーナス商戦というのは存在しない。

 中国の商戦は例年、上半期に1回、下半期に2回ある。いずれも土日を含め5~7日間の大型連休に合わせたものだ。具体的には上半期が5月の労働節(メーデー)商戦、下半期が10月の国慶節(建国記念日)商戦と、歳末の春節商戦。ちなみに、春節は例年、新暦の1~2月にあるのだが、中国では現在でも春節を迎えるまでは旧年という感覚があり、かつ、クリスマスから春節までの期間をひっくるめて春節商戦ととらえるので、下半期に属する。

 さて、当コラムが扱うEMS(電子機器受託生産サービス)/ODM(Original Design Manufacturer)業界が近年、主力製品としているスマートフォンやタブレット端末は、2013年下半期に話題の商品が相次ぎ投入される見込みだ。米Apple社からはスマートフォン「iPhone」の旗艦モデル「iPhone 5S」と、価格を抑えた「廉価版iPhone」。さらにタブレット端末は、9.7型「iPad」と7.9型「iPad mini」の次世代モデル。さらに、話題のウェアラブル端末として、スマートウオッチの「iWatch」も2013年中に発売されるともっぱらのうわさだ。Apple製品以外でも、米Google社の「Nexus 7」と、米Amazon.com社の「Kindle Fire」という、人気タブレット端末の次世代モデルが、今年下半期にお目見えするものと見られている。

図●浙江省寧海にある地方劇団の稽古で、決めのボーズを「iPad」で確認する女優
タブレット端末は中国でもさまざまなシーンで活用されている。