マネジメントに関する教育

 「マネジメント」に関する教育としては、プロセス・マネジメント、組織マネジメント、プロジェクト・マネジメント/リーダーシップ、ナレッジ・マネジメントなどの教育が挙げられる。

 「プロセス・マネジメント」の教育は、仕事の手順を高度化するための教育である。もはや開発プロセスにおいて開発ツールの活用方法抜きにプロセスの検討はできないため、3Dデータ活用によるフロント・ローディング、バーチャルDRなどをプロセス・マネジメント教育に織り込むとよい。

 「組織マネジメント」の教育は、仕事の役割分担や機能別組織における運営を高度化するための教育である。3Dデータの活用においては従来の役割分担からの変革が必要となるから、3Dデータ活用プロセスにおける各組織の役割を定義し、教育するとよい。

 「プロジェクト・マネジメント/リーダーシップ」の教育は、プロジェクトをリードするスキルを身に付けるための教育である。プロジェクト推進における3Dデータ活用のポイントは、早期に課題抽出/解決を図ることだ。従ってそのための方法を教育する必要がある。

 「ナレッジ・マネジメント」の教育は、組織的にナレッジを蓄積・活用していくための教育である。本教育に3Dデータによる製品・技術資産の蓄積方法を織り込むとよい。

 以上、一般的な各教育の中で、どのような3Dデータ活用教育を織り込むべきかについて解説した。これらを実践するためには、実際に教育を推進している部門との連携が必須である。しかし、3Dデータ活用を推進している部門と教育を推進している部門の距離感は、企業により非常にばらつきがあり、これが大きな差を生み出す。距離感を感じている企業の場合、3Dデータ活用教育において他社に大きく差をつけられる可能性があることを前提とした方がよいだろう。