前回はグローバル部品表改革のコンセプトについて考えたが、これに続いて、今回はその前提条件について考察していく。グローバル部品表改革の前提条件においてもっとも大きい、乗り越えるべき課題とはコード体系の統一であろう。中でも製品を構成する部品を表現する部品コード体系の見直しは、日本の製造業が抱える大きな課題の1つだ。では、なぜ部品コード体系の見直しが必要なのだろうか?

品番枯渇の問題
 まず挙げられるのが品番枯渇の問題である。この問題は、従来から日本の製造業で多く用いられる「意味あり品番」に起因している。「意味あり品番」とは、品番の各桁に意味のある番号や記号が設定されているものである。つまり品番を見るだけで、その部品が初めて採用された製品、あるいはその部品が適用される部位や部品の分類、生産拠点などを把握することができるというものだ。

 しかし近年、製品の多様化や部品の多様化、生産・調達先のグローバル化により、品番枯渇の問題が発生している。その原因としては、まず桁数そのものの少なさが挙げられる。従来の情報コストの高さや、現代のグローバル要件が想定されていなかったせいもあって、桁数が少なく設定されたのだろう。情報システム上でも品番の桁数は固定長になっていることが多く、簡単には桁数を増やせないのである。また、意味を持たせているが故に、有限の桁数を有効に使えない点も、品番枯渇を加速する要因となっている。