台湾電子セクタ-各製品分野における代表的企業の5月売上高は、対前年比(YOY)+1%増、対前月比(MOM)+4%増だった。1~5月の累計売上高はYOY-5%と減少した。2012年12月に過去最高売上高を更新していたHon Hai Precision Industry社(通称Foxconn)の5月売上高は3004億7200万NTドル(YOY+2%、MOM+3%)、1~5月累計売上高はYOY-13%と、全体のYOY-5%を大きく下回り、全体の水準を押し下げている。米Apple社からの需要低迷、パソコン、テレビ、ゲ-ムと分野を問わず最終製品の需要、生産計画、EMS(電子機器受託生産サービス)需要が振るわないことから、同社に対する向かい風が強まっている。

 Hon Hai Precisionを含む部品は1~5月累計でYOY-12%、1桁マイナスではノート・パソコンが1~5月累計でYOY-7%、デスクトップ・パソコンが同-8%、プリント基板が同-3%などが挙げられ、スマ-トフォンやタブレットなど一部を除きコンシュ-マ向けの最終製品の生産・販売が振るわない点が反映されている。ただし、減収幅は前月よりも改善。一方、2桁増収となっている分野は、ファウンドリ前工程が1~5月累計でYOY+20%、LEDが同+16%、TFT液晶パネルが同+11%など。その他、2桁からは低下したものの、マザーボードが同+9%、太陽電池が同+1%、受動部品が同+2%とYOYプラスとなっている。

 ファウンドリ前工程については、Taiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)の先端プロセス(28nm)の需要好調、LEDはTVバックライト向けと照明向けの需要拡大が背景である。最終製品で好調なのは、一部ブランド(韓国Samsung Electronics社、韓国LG Electronics社、ソニ-や中国ブランド、ホワイトボックス)のスマ-トフォン、タブレットくらいであり、パソコン関連、フィーチャー・フォン、ゲ-ム機器、デジタル・カメラ(コンパクト機+デジタル一眼カメラ)などはむしろ想定より悪い。薄型テレビ、白物家電、複写機やプリンタ、車載関連も想定線の域を出ておらず、エレクトロニクス産業全体では厳しい事業環境が続いていると言えよう。