「最後の巨大市場」とも呼ばれる、アフリカにおけるビジネスが国内でにわかに注目を集めている。2013年6月1日から6月3日まで、横浜市で第5回アフリカ開発会議(TICAD)が開催されたことがきっかけである。

 日本企業がアフリカ向けビジネスについて多大な関心を寄せているものの一つが、人口が急増することによる都市化に伴う課題を解決するさまざまなソリューションの提案である。中でも、大都市近郊に新しい都市を建設するプロジェクトが一斉にスタートしており、日本企業にとっても都市建設に伴うインフラ整備などに参入する大きなチャンスである。

2050年には人口20億に

 アフリカの人口増加率は世界で最も高く、2010年には10億人を突破した。1950年には1億2000万人だったので、この60年で8倍以上も増えた。このペースで増え続けると、2013年には15億人を超えてインドや中国を抜き、2050年には20億人に達すると見込まれている。

 それに伴い、大都市への人口集中が続いている。国連の都市人口推計(World Urbanization Prospects)によると、1975年に都市人口が1億800万人だったのが2010年には約4倍の3億9900万人まで増えた。さらに、2020年には6億6100万人、2050年には12億人と半数以上が都市に住むことになる。

 都市への人口集中に伴う弊害は、すでに住宅不足や住環境の悪化、雇用問題、交通渋滞、治安の悪化、スラムの拡大などの形で顕在化してきている。例えば、アフリカを代表する大都市であるケニアの首都ナイロビでは、年間3万戸の住宅が不足していると推定されている。