業界の再編や改革を加速させる可能性も

 小米スマホが誕生したとき、「同スマホは存続できない、すぐになくなる」との予測が多かった。しかし、同スマホは、大手スマホメーカーにとってまだ大きな脅威となっていないものの、市場ではそれなりの存在感を確立している。

 これまで紹介してきたように、スーパーテレビの登場は、小米スマホの収益モデルがスマホ業界に限らないことを示そうとしている。その成功の可能性には疑問を持つ筆者だが、一方で、コモディティ化と言われるテレビの製造、販売、流通といった既存のエコシステムを大きく変える可能性を持っているのではないかとも思っている。すなわち、スーパーテレビがテレビ業界に一石を投じ、同業界の再編や改革を加速させる可能性を一方で感じている。

 日本と韓国のテレビメーカーの戦略を「本筋」「王道」と言うならば、楽視網のスーパーテレビは「抜け道」「近道」となるかもしれない。しかし、「抜け道」「近道」は徐々に広げていくことで、「本筋」「王道」となる可能性も秘めているのだ。道とは、最初は存在しないものであり、開拓者によって造られていくものだ。勝敗の行方は、一時ではなく、長いスパンで見る必要もあるだろう。