グローバル部品表構想検討の注意点

 グローバル部品表改革の重要なポイントは、企業全体の視点で見たときに、「何を全社で共通化すべきか」「何を事業ドメイン単位で集約すべきか」「何を事業単位で個別にすべきか」などを全社戦略として策定することにある。

部門間のコンフリクトが生じる統一議論

 業務プロセスや情報管理の統一・集約を検討するワークショップでは、部門間のコンフリクトを生じさせてしまう場合が多い。つまり、自部門の運用方式の優位性を主張するあまり、他部門との集約検討の際に議論が発散してしまいがちなのだ。

 こういった戦略検討においては、各事業部の代表者が招集されて、グローバル部品表構想プロジェクトが結成されることだろう。事業部の代表は自部門の主張を通すのではなく、あくまで全社的視点に立って、企業の将来のあるべき姿を中立に議論できるようにしなければならない。そのためには、プロジェクトのオーナーは、各代表者が、中立の立場で参加し発言できるよう配慮する必要がある。

ベストプラクティスの利用による統一業務案の策定

 部品表運用プロセスなど、統一化した業務プロセスや部品表データモデルを策定する場合には、すでに他社で有効性が検証されたリファレンスやベストプラクティスを利用することが有効である。現代のグローバル情報戦略や潮流など、最新のソリューション動向については、すでにコンサルタントやITベンダーが知っている場合が多いからだ。また、中立的な立場でファシリテーションの支援を依頼することも、1つの手段であろう。

 次回は、このグローバル部品表改革の前提条件について考察を進める。