AUOの歩留まりが上がったが・・・

 タブレットPCについては、iPad Mini次機種の投入タイミングが若干遅れそうな点が、先月と異なる。現行機種は7.85インチのアモルファスSiベースのIPSパネル(解像度XGA、164ppi)が採用されている。パネルはモジュール生産能力でLG Displayが350万~400万枚/月、台湾AU Optronics(AUO)社が150万枚/月程度と見られるが、12年3~4Q出荷分の約1100万枚はほとんどLG Displayからの供給であった。

 AUOは年明けからようやく歩留まりが大幅に改善し100万枚/月程度の供給が可能な体制が整った。13年1Qは部品ベースで約1300万枚、製品生産ベースで約1200万枚のQOQ(前四半期比)増と見ている。2Qの見通しは部品ベースで1000万~1100枚とQOQ減少と見ていたが、4月に入ってから更に減速、現時点では800万~900万に低下している。

 これを再び増勢に転じさせるのが、パネル解像度を326ppiに引き上げた「Retina Version」であるが、まだ主要部品のスペックが最終決定に至っていないと見られ、現時点では部品生産・供給が始まるのは早くとも13年9月頃になりそうである。そうなると、3Qの生産も2Q比で若干増程度に留まるリスクが台頭する。ヒットが期待される次機種だけに、その動向には注視を続けたい。