Apple向け部品・部材供給の調整局面は続く

 12月から調整局面が続くApple向け部品・部材供給は、想定通り4月も依然厳しい状況が続いた。iPad、 iPhone5はともに低水準の部品供給、生産が続いている。唯一好調であったiPad Miniも、4月から調整局面に入り、その調整幅は当初想定より大きい。これらの製品は次機種の組立・販売が3Q(第3四半期)以降となる可能性が高く、2Qは部品の先行生産以外、多くは期待できない。その部品の先行生産にも、5月はやや陰りが見られる状況である。

 iPhone5は12年4Q、パネルで4500万枚、製品で4000万台程度の生産出荷、13年1Qはそれぞれ2900万枚程度、2400万台程度と見ている。2Qについても、パネルベースでの前月時点予想2700万枚→今回2400万枚程度に引き下げる。もともと、次機種(「iPhone5Sやローコスト機種」)向けパネル、部品の作り込みの前倒し実施の可能性を織り込み(パネルではジャパンディスプレイが4月、韓国LG Display社が5月、シャープが6月を想定)、4月、5月停滞の後6月には1400万枚程度に急増する前提を置いていた。

 しかし、5月に入っても量産本格化の動きが見えず、今回は6月の数量が1400万枚→1000万~1100万枚程度に低下する可能性を織り込んだ。組立は7月から台湾Pegatron社、Hon Hai PrecisionのODM/EMS2社で開始するとドイツ証券(以下「当社」)では想定しているが、ここからの注目点は上記スケジュール通り生産を開始するかである。