台湾のTFT液晶パネル大手の一角を占める台湾AU Optronics社(AUO)と台湾Innolux Display社(群創電子)が、2013年4月のパネル出荷数量、売上高、および稼働率を明らかにした。詳細は後述するが、AUOは大型サイズ、とりわけテレビ用パネルを中心に、Innolux Display社は総じて、高稼働率をそれぞれ維持している。

AUOはG8/G7.5ラインで高稼働率を維持

 AUOについては、2013年4月の大型パネルの出荷数量は950万枚〔対前年比(YOY)で5.6%減、対前月比(MOM)で10.6%減〕、同年1~4月の同累計出荷数量はYOYで2%減だった。同社の売上高は370億500万新台湾(NT)ドル(YOYで21.9%増、MOMで2.4%減)、同年1~4月の累計売上高はYOYで18%増だった。

 同社の生産状況については、大型サイズ、とりわけテレビ用パネルを中心に生産する第8世代(G8)やG7.5ラインで高稼働率を維持した。G7.5ラインでは、24インチモニター(75万~80万枚/月)、42インチ(85万~90万枚/月)、50インチ(25万~30万枚/月)など需要が堅調な機種や新機種が多く、稼働率は高水準を維持し、足元ではほぼ上限に達している。G8ラインに関しては、46/55インチなど大型サイズが停滞気味であるものの、42/21.5インチの共取り生産や32インチにおいてを一定水準維持していることから、稼働率は9割強に再上昇している。G6ラインについては、同社が注力している65インチを増産していること、および39インチで40万~45万枚/月と生産量が安定に推移していることから、稼働率は、2013年3月こそ地震の影響でL6-Aライン(AUOのG6ライン)で落ち込んだものの同年4月には急回復し、9割弱を維持している。

 一方、ノートパソコン(NB)、モニターの不振により、G5ラインおよびG6ラインの一部は依然、相対的に厳しい。歩留まり問題などで苦戦してきた米Apple社のタブレット端末「iPad Mini」向けについては、2013年1月から大増産を開始しており、他ブランドのタブレット用パネル、タッチの供給も上向いている。しかし、NB向けやモニター向けは想定以上の不振が続く。とりわけ、足元でのNB向けの落ち込みが想定以上に大きく、G5ライン全体の稼働率は、再び若干低下気味。同稼働率は、同年2月にいったん7割台に低下したものの同年3月以降は8割超に回復していたが、再び7割前半に落ちている。