2013年4月の台湾メーカーによる大型TFTパネルの出荷数量は、対前年比(YOY)で1.3%増、対前月比(MOM)で5.0%減の2200万枚だった。同年1~4月の累計出荷数量は、YOYで1%減。日本、韓国、中国を含めたグローバルの推計では、同年4月の全体の出荷数量は約6500万枚(YOYで8%増、MOMで5%減)、同年1~4月の全体の累計出荷数量はYOYで9%増だった。

YOYでTVが5%増、NBが25%減、モニターが10%減、タブレットが132%増

 2013年4月の大型TFTパネルのアプリ別出荷数量は、下記の通り。

1)テレビ(TV)向けが1900万~1950万枚でYOYで5%増、MOMで5%減。1~4月累計ではYOYで8%増
2)ノートパソコン(NB)向け(タブレット含まず)が1400万~1450万枚で同25%減、11%減。1~4月累計ではYOYで23%減
3)モニター向けが1350万~1400万枚で同10%減、3%減。1~4月累計ではYOYで13%減
4)タブレット向けは1750万~1800万枚で同132%増、1%減。1~4月累計ではYOYで142%増。

 このように、アプリ別ではタブレット向けが好調を維持、テレビ向けが一服、NB向けとモニター向けが大幅減少の流れに変化はない。タブレット向けでは、「iPad」「iPad Mini」(いずれも米Apple社)向けで最大のベンダーである韓国LG Display社が400万枚弱とMOMで4割近くの減少。一方、韓国Samsung Display社は、親会社の韓国Samsung Electronics社のタブレットPC向けなどを牽引役に、MOMで横ばいの500万枚弱と対照的な結果となった。

 White Box(メーカー製ではなく販売店製のパソコン)向けが主な台湾Chunghwa Picture Tubes社(CPT)や台湾HannStar Display社はMOMで大幅増加に転じた。iPad向けの供給が細るシャープや、米Amazon.com社の在庫調整の影響を受けているパナソニック液晶ディスプレイ(本社兵庫県姫路市)などはごく少量の出荷に留まっている。

 New iPad+iPad2向けの推定出荷数量は、Samsung Electronics社が70万~80万枚と若干減。これに対し、 LG Display社は120万~130万枚と大幅に減らしている。2013年2Qは200万~250万枚/月のペースが続きそうである。

 iPad Mini向けはLG Display社が約350万枚、台湾AU Optronics社(AUO)が150万枚弱で安定推移してきたが、同年4月はMOMで4割以上の減少と見られる。NB向けは季節要因と足元の販売が弱含んでいることから想定以上の落ち込みが続く。TV向けは、中国労働節用や大手ブランドの新機種用の調達が一服したことからMOMで減少。モニター向けは、NB向けほど酷くないものの、コンシューマー機種向けを中心に想定を下回るパネル需要が続いている。