台湾Macronix International社の2013年4月の売上高は、18億1200万新台湾(NT)ドル〔対前年比(YOY)で0.4%増、対前月比(MOM)で24.5%増〕。同年第1四半期(1Q)については、主力のマスクROM、NORフラッシュメモリーともに厳しい状況が続いた。マスクROMは「どうぶつの森」などの販売好調な新タイトルがあるものの、同年3月に発売予定(国内で200万本販売)だった「モンスターハンター4」などの大型タイトルの発売延期により、弱含みの展開となっている。ただし、同年4月の売上高は、MOMで25%増の大幅増収となり、ようやく最悪期を脱した可能性が出てきた。

マスクROMの1~4月累計売上高はYOYで30%減、4月はMOMで66%増

 製品別では、マスクROM(メガチップス経由、ニンテンドー「DS/DSi/3DS」向けが大半を占める)の2013年4月の売上高が4億5800万NTドル(YOYで0.4%増、MOMで65.8%増)だった。MOMでの大幅増収もさることながら、YOYでも横ばいの水準を回復、大底を打った可能性がある。  一方、NORフラッシュメモリーの同年1~4月の累計売上高はYOYで0.3%減、同年4月の売上高は11.38NTドル(YOYで0.1%減、MOMで14.7%増)だった。

 Macronix International社の2013年1Q業績については、例年の閑散期よりも需要が弱かったことと、価格低下の影響を受けたことにより、売上高は44億500万NTドル(YOYで14%減、QOQで25%減)となりQOQで大幅減収となった。売り上げ構成は、NORフラッシュメモリーが67%(YOYで5%減、QOQで10%減)、マスクROMが22%(YOYで39%減、QOQで54%減)。プロセス別の売り上げ構成比は、先端プロセスの45nm/65nmが21%と4Qの30%からQOQで9ポイント低下(ただし、45nmプロセスは2012年4Qでは0%だったものが2013年1Qには3%に伸長した)。売上高総利益率はQOQで5.8ポイント低下の-4.2%、売上高営業利益率はQOQで14.9ポイント低下の-47.6%だった。2013年1Qの出荷量は、NORフラッシュメモリーがYOYで14%増、QOQで5%減、マスクROMが同38%減、54%減。なお、ORフラッシュメモリーのASP(平均単価)はYOYで18%減、QOQで5%減と低下した。

 稼働率は、QOQで9ポイント上昇の84%だが、ガイダンス(会社側予測)の93%を下回った。下振れの要因は、12インチウエハ対応工場の定期修理作業に想定よりも時間がかかったため。1Q末の在庫はQOQで10%増加の75億3700万NTドル。内訳は12インチウエハ対応工場分が51%、8インチウエハ対応工場分が49%。

下期中に営業黒字転換目指す

 2013年2Qのガイダンス数値は発表していないが、今後の主な見通しは下記の通りだ。

1)2Qの稼働率は90%超
2)マスクROMの出荷割合は上期、下期で40:60
3)マスクROMは45nmプロセス、NORフラッシュメモリーは75nmプロセスの比率が上昇を続け、通年ではマスクROMにおける45nmプロセスの割合が46%、NORフラッシュメモリーにおける75nmプロセスの割合が29%となる見通し
4)下期中には営業黒字転換を目指す(当初見通しは3Q)