――アプリ版ボケてを開発するキッカケは?

伊勢 2012年5月ころにブレイブソフトの菅澤さん(英司氏、同社社長)と「何か見ていて楽しいアプリをやらないか」と話していました。その時に、鎌田がボケての運営を続けていたことを思い出したんです。

 ちょうど、ボケてがまとめサイトで有名になっていたので、鎌田に電話して「アプリを一緒にやらないか」と打診をしたら、「一緒にやろう!」と決まりました。その後は、トントン拍子でプロジェクトをスタートすることになりました。

――伊勢さんが、独自にサービスを開発することは考えなかったんですか。

伊勢 私がメインで携わっている企業「ハロ」では、「これからは、1社がリソースをすべて抱えて開発するプロジェクトは無理」と考えています。一緒に組める会社があれば、どんどん連携して面白い事業を生み出していきたい。優れたエース人材をプロジェクトごとに集めてチームを作り、サービス開発を進めることを意識しています。

 ハロの創業メンバーは、全員が営業やマーケティング出身者だけだったので、必然的に技術系の会社と組むことが多かった。これがその考え方になった背景です。もちろん、現在は社内に技術者もいます。でも、創業当初よりも他の会社と組んでサービスを開発しようという思いが強くなっています。

 例えば、Webサービスを単独で開発するとします。その際に、技術者の採用から始めると採用までに3カ月かかってしまう。その間に、他の会社が同じアイデアでサービスを立ち上げたら、そこで3カ月の遅れが生じます。

――3カ月の差は、そんなに大きいことなのですか。

伊勢 かつては、Webサービスで100万ユーザーを獲得する期間は2年くらいのイメージでした。でも、スマートフォンやSNSの普及によって、その期間はどんどん短くなり、今や人気のサービスは3カ月もあれば100万ユーザーの獲得が珍しくなくなっています。もし、同じようなサービスが先に100万人にリーチしていたら、自分たちが作ったサービスでそれを追い越すのは至難の業です。