――アプリ版を出すまで、パソコン版ボケてのサイト運営は、どのような状況だったのですか。

伊勢修(いせ・おさむ)氏
Halo(ハロ)取締役。慶應義塾大学経済学部卒。学生時代は、モバイル・マーケティングや、映像共有の未来について研究。卒業後は日本テレビ放送網に入社。朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」の制作に関わる。同社退職後、オプトを経て、2008年にハロを共同創業し、取締役兼COOに就任。2013年には、新会社「PLAY」を創業、代表取締役に就任。同年3月には「オモロキ」取締役兼最高戦略責任者に就任。「遊ぶようにはたらく、21世紀のはたらきかた」を追求している。

伊勢 2012年に入るまで、ボケては面白いコンテンツはありましたが、ユーザーへのコンテンツの見せ方が上手とはいえない状況でした。面白さをあまりうまく伝えることができていなかった。

 その状況が一変したキッカケは、インターネットの「まとめサイト」で多く取り上げられるようになったことでした。一つの場所でコンテンツがまとまって表示されたことで、ユーザーに面白さがより伝わるようになったんです。

 Webサービス関連の企業では、一般的にサービスを1年間運営して鳴かず飛ばずの状態だと、運営を止める意思決定を下すことが多い。ボケての場合は、鎌田や技術担当の和田(祐介氏、同社CTO)が「サービスが好き」という思いが強かったこともあり、4年間もサービスを継続していたんです。

 二人はサービス開始当初から毎日、サイトをメンテナンスし、変な投稿がないかなども確かめていました。ユーザーの反応を見ながら丁寧に運営していたと思います。「このサービスはいける」と信じて運営を継続してきた点が、すごい。

――4年間も運営を継続できた理由は何だったのでしょうか。

伊勢 オモロキのメンバーが、とにかくこのサービスが好きで、毎日、サイトを丁寧にメンテナンスしていたことに尽きます。

 そして、毎日のようにサービスを楽しんでいるコアなファンが当初から多くいたことが大きかった。Webサービスでユーザー数を増やしている会社は、やはり長い期間、丁寧にサービスの運営を続けている所が多いんです。