開発チームの全員がサービスを愛している

 ハロの伊勢氏によれば、こうした運営を継続できた最大の理由は「愛」だそうです。「サービスに関わる全員がボケてが大好きで、愛しているという点が大きいと思います。自分が携わってきた他のサービス開発の経験を振り返っても、結果的に愛せなかったサービスは半年ほどで閉じてしまったものが多い」(同氏)。

 そして、もう一つの理由は、全員が「他のプロジェクトと兼務」でボケての運営に関わったこと。メインとなる他のプロジェクトを同時並行ですすめ、ボケてのサービス運営を継続しました。「まぁ、それより何より、鎌田と和田が『これは行ける!』と信じて運営を続けた点がすごい」(伊勢氏)。

ボケてがヒットに結び付いたキッカケと「ボケ」累計投稿数の関係。
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 軸をぶらさない運営を続けていくと、突然ステップアップの機会が訪れることがあります。ボケての場合は、サービス開始から実に3年半後のことでした。

 2012年5月にインターネットの「まとめサイト」や、ソーシャル・メディア上でボケてのコンテンツが多く取り上げられたことで、Webサイトへのアクセス数が月間平均で10倍以上に急増しました。いわゆる「バイラル(口コミ)効果」です。コアユーザーを核に広がっていたサービスが、ソーシャル・メデイアでのサービス認知の結果、周辺の潜在ユーザーヘと広がっていった様子が分かります。

 「2012年に入るまで、ボケては面白いコンテンツはあるけれども、ユーザーに対してその見せ方が良くなかった。ユーザーに面白さが伝わりにくかったんです。まとめサイトで取り上げられたことで、コンテンツが塊として面白さが伝わりやすくなった」と、伊勢氏は振り返ります。

 その後もバイラル効果は継続し、サービス名は着実に知れ渡ることになりました。それを境にボケの投稿数も急増しています。参考までに代表的なまとめサイトの一つ「NAVERまとめ」で、ボケて関連のまとめ記事数は2013年4月時点で370本以上が存在。その中で、最も閲覧が多い記事の累計閲覧数は2000万ページビューに達しています。