ITコストの削減

 ITコストの削減も切実な課題である。これは特に情報システム部にとっての課題と言える。海外拠点の増加や事業買収など事業の複雑化は、情報システム部の運用管理の範囲が拡大することを意味している。部品表システムや生産管理システムなどのシステム運用費も膨大なものとなる。仮にこれらの情報システムがあらかじめ統一されていたとしたら、どれほどの運用コストを削減できるのか。IT運用要員の活用を最適化した場合などを想像しただけでも、その効果の大きさは明らかだろう。

 最近は、ものづくり情報を活用するためのクラウド化を検討している企業も多い。中でもプライベート・クラウドは、物理的なサーバを意識する必要がないクラウドとしてのメリットと、自社のセキュアな個別環境で仕事ができる、というプライベート環境のメリットを併せ持つ有効な形態である。仮に、グローバルで統合化された部品表がプライベート・クラウド上に構築されていれば、物理的な拠点専用サーバを意識する必要もなくなる。さらには運用をアウトソーシングすることも考えられ、ITコストの劇的な削減が可能になるというわけだ。

* 最近のプレスリリースにもこうした事例があったので紹介しよう。合わせてご参照いただきたい。「中西金属工業、グローバルのスムーズな情報連携目指しクラウド型ERP導入」(2013年4月13日)

 このようなことが、いま部品表改革が必要とされている理由であろう。