生産品目の多様化

 生産工場においても同様の課題がある。従来、生産工場は、海外拠点を含めて、特定事業の製品を生産していれば十分な仕事と競争力を持つことができた。しかし、現代は需要の変動が激しく、特定事業の生産を行っているだけでは、必要十分な稼働率や価格競争力を維持できなくなってきている。つまり、そこには複数事業の製品の生産が行えるような、柔軟性が必要になってきたのである。

 そこで、このような複数事業の製品を生産していく戦略を取った場合も、前述したように事業部による技術情報の管理体系が異なっているとすぐには実行できない()。部品コード体系や部品表形式、出図や設計変更プロセスが異なっているので、まずそれらに合わせた工場側の工夫・調整が必要となるのである。たとえば品番の桁数が異なっているだけでも、工場側の生産管理システムの品目マスターで、両方の体系をサポートするためのシステム改訂を行わなければならないのだ。

図●グローバル製造業が陥っている設計・生産工場の連携状態
図●グローバル製造業が陥っている設計・生産工場の連携状態
[画像のクリックで拡大表示]