グローバル化による部品表の複雑化

 部品表改革が必要とされているそもそもの理由は、本連載の第2~4回で説明したように、製造業の急速なグローバル化にあると考えられる。製造業がグローバル化するということは、販売先がグローバルに広がるので市場ニーズも多様化する、ということだ。そして、市場ニーズが多様化すれば製品もまた多様化するため、製品バリエーションや部品種類も増大することになるのである。

 販売先を国内向けだけに絞り込んだ製品であれば、単純な階層構造の部品表をバリエーションの種類だけ準備すれば、調達や製造面において十分だった。しかし、市場がグローバル化すると、各国向けの仕向けや仕様違いに対応した部品表を準備する必要が出てくる。単純な階層構造の部品表だけでは表現しきれず、マトリックス型の部品表を用いて、より多くのバリエーションを表現する必要が生じるのである。

 例えば電気製品の場合、電子部品を含めると部品点数は増え、多くの部品で製品が構成されることになる。製品全体から見れば、仕様違いや仕向け違いはわずかなものだが、そのわずかな違いを正確に部品表として表現する必要があるのだ。そして、それを行うための手段がマトリックス部品表なのである。