「ディスプレイ」サイトで、2013年5月29日までの1カ月間に最も読まれた20本の記事を見ると、読者の有機ELへの関心の高さがうかがえる。5月19~24日に開催されたディスプレイ関連最大のイベント「SID 2013」においても学会のメイン・テーマは有機ELだった。20位の「【SID】SID 2013が開幕、学会は有機ELがメイン・テーマに」によると、70セッションのうち14セッションが有機EL関連だという。前回のディスプレイ・サイトの「サイトマスター便り」(今回19位に登場)でも有機ELに着目した。
有機ELが注目を集める理由が分かる記事が、今回のランキングの16位に入った。「SID」における韓国Samsung Display社社長による基調講演を取り上げている。互いにつながるディスプレイがあらゆる場所に置かれるようになるという未来予想図を示した。そのような姿を実現させる技術が、有機ELディスプレイとする。記事では、有機EL(AMOLED)の特徴として、フレキシブル化や透明化が可能など、四つを挙げている。
1位の「【SID】“曲げられる”有機ELディスプレイは高精細/大型に、パナソニックや東芝など」は、フレキシブル有機ELディスプレイが高精細化、大型化している技術動向について、今回の学会発表から解説している。9位の「【SID】SELとシャープなど、トップ・エミッション型フレキシブル有機ELディスプレイを作製」は、やはりフレキシブル有機ELの作製技術を詳説した記事である。
一方、有機ELの大きなアプリケーションであるテレビ向けでの現実を紹介した「有機ELテレビのその後」が、2位に入った。記事は「有機ELテレビを取り巻く熱気はその後、冷めつつあるように見えます」と、家庭用テレビ・メーカーの有機ELに対する冷やかさを伝えている。ディスプレイ各社は、表では有機ELの高いポテンシャルを生かす研究開発をアピールするとともに、裏ではコスト削減に向けた開発を進めていることがうかがえた。