美しさに優るものはない。
Tech-On!のテーマサイト「クルマ」のこの1カ月間(2013年4月23日~5月27日)をまとめると、このひと言になるかもしれません。
大型連休に合わせて公開した上海モーターショーのコンパニオン写真集が、ダントツでアクセス数のトップ。クルマをこよなく愛する日経エレクトロニクスの狩集デスクが、上海の広い会場で収集してきた、まさに足で稼いだ力作です。(関連記事「クルマを彩る美女たち」)
「現地で本当に仕事はしていたのか」という突っ込みは野暮というもの。疑念はさておき、華麗な写真の“美しさ”からにじみ出てくるのは、世界一の市場になった中国の勢いでしょう。
尖閣問題などで日中関係が悪化する中、日本メーカーは苦戦しているようですが、彼の地のマイカーブームはまだ続きそう。沿岸の大都市から内陸部にブームが広がっているという報道もあります。4月に入って日本メーカーの販売台数も減少に歯止めがかかり始めたようです。
美しさの陰に流行の変化
一応、狩集デスクの名誉のために申し上げておくと、現地では本来の目的である技術系メディアとしての仕事もこなしていた模様です。自動車業界を長年見てきた観察眼は、上海モーターショーで大きな一つの変化を捉えています。
それは、「電気」から「エンジン」ヘの回帰。どのメーカーも電気自動車やハイブリッド車などのコンセプトを披露していたものの、その展示は確実に減っていたそう。それに代わり、欧米系の自動車メーカーが力を注いでいる技術は「エンジン」だというのです。(関連記事「上海モーターショーで感じた欧米系自動車メーカーのしたたかさ」)
ドイツVolkswagenグループが現地で大きな収益を上げているエンジン「TSI」がモデルケースになっています。いわゆる「小排気量のターボ付き直噴ガソリン・エンジン」です。電気との組み合わせではなく、ターボエンジンを導入することで低燃費を実現する取り組み。上海モーターショーでは、欧米系メーカーを中心に同様の技術を導入したコンセプト車が数多く出展されていました。