「産業動向」サイトで、この1カ月間(4月14~5月21日)によく読まれた記事の上位20本は、右表のようになりました。このランキングを見ると、連載コラム「上海発 EMS通信」の記事が、1位、7位、8位、10位と上位を占めました。上海発 EMS通信については、前回のサイトマスター便り「【産業動向】人気は4大コラムに集中、その中でも海外ものが光る」でも大きく取り上げましたので、今回は、この4~5月の特徴的な記事を紹介します。

 2013年3月に米国の特許に関わる制度の改正が整い、それを受けて全3回の連載特集「米国特許、60年ぶりの新法がもたらすもの」の記事が9位、11位、18位にランクインしました。この新制度は根本的な考え方を大きく変えるもので、「先発明主義」から「先願主義」へと大転換した影響を解説しています。従来なら、特許を取得しても、ほかの人が「実は私がその特許の技術を、それよりも前に発明していたんです」と異論を唱え、その事実を証明できれば、発明案者に特許の権利は移りました。しかし、今後は“特許申請したもの勝ち”となります。日本を含め、多くの国が採用している先願主義に米国も転換したと言えます。

 また、この特集記事が好評だったのを受け、連休明けの5月9日からは「消える特許」と題した連載特集を開始し、既公開の第1回と第2回の記事がそれぞれ2位と5位にランクインしました。こちらは、「特許の権利を行使しにくい日本」「世界中からの特許をのみ込み、知財大国を目指す中国」「従来の常識とは異なる新しいインターネットの世界」を題材に、日本の製造業が直面する課題を浮き彫りにします。このあとも、全5回の予定で、毎週木曜日に新規記事を追加していく予定です。ご期待ください。

 このほか、筆者が個人的に印象深かった記事として、19位にランクインした「『規制緩和』と『緩和規制』」を紹介させてください。最初、タイトルを見て「緩和規制」って何? と思ったのがきっかけです。我々日本人は「規制緩和」という用語はよく目や耳にしますが、「緩和規制」にはなじみがないと思います。恥ずかしながら、私はまったく知りませんでした。ところが、中国では「緩和規制」によって社会秩序と正しい企業競争を起こすことができるというのです。そのカラクリは該当記事を読んでみてください。