LINEとWeChatの共通の強敵は

 WeChatは中国国内では、LINE以外に2つの強敵が存在している。1つは、人気で先行している微博〔中国のFacebookとは?(下)〕との競争だ。もう1つは、通信キャリアとの競争だ。無料の通話メッセージができるWeChatは通信キャリアの収入に明らかに影響を与えた。中国の通信キャリアはそのようなサービスを阻止しようと働きかけている。

 中国以外でも、WeChatとLINEの普及により、通信キャリアの通話サービス収入は大きな影響を受けている。今後、通信キャリアからの反発が中国国外でも予想される。Facebookの反撃も予断を許さない。これも、WeChatとLINEの共通の強敵である。

 報道によると、Facebookは2013年初めから、音声を送信できる「ボイスメール」機能を地域限定で試験導入している。本格的に導入すれば、スタンプ以外の機能はLINEと並ぶと考えられる。

 このように、無料のインターネット通信サービスにおいては、アメリカも日本も中国も、現在はほぼ同じラインに立っている。本当の競争が始まるのはこれからだ。