台湾TFT液晶大手のInnolux社は、2013年5月9日、2013年1Q(第1四半期)決算説明会を実施した。売上高は、対前年比(YOY)-7%で対前四半期比(QOQ)-10%の1167億7500万NTドル、売上高総利益は90億4100万NTドル(YOY黒字転換、QOQ-4%)、営業利益32億9300万NTドル(黒字転換、+5%)とQOQ減収だが営業増益となった。当期純利益は16億8300万NTドル(黒字転換、黒字転換)。売上高総利益率はQOQ+0.4%ポイント改善の7.7%、営業利益率は2.8%である。稼働率は90%超となった。

 在庫は45億2000万NTドルと4Qの42億NTドルからQOQ+7%増加した。在庫回転日数は4Qの35日から37日(期首期末平均、原価ベ-ス)に上昇している。同社は、2Qからの需要増に向けて在庫を積み増したと説明した。EBITDA(税金や支払利息、減価償却費を差し引く前の利益)マ-ジンは20.7%と3年ぶりに20%台まで回復した。4Qは18.4%だった。

大型パネルの出荷枚数はQOQ-16%、中小型はQOQ-5%

 大型パネルの出荷枚数は、3240万とYOY 横ばい、QOQ-16%と事前予想のQOQ-11~-14%(「low teen程度」)を下回った。ASP(平均単価)は90米ドル(4Qは89米ドル)とYOY+5%、QOQ+1%である。中小型の出荷枚数は1億800万とYOY+20%、QOQ-5%。事前予想のQOQ-7~-9%(「high single digit程度」)を下回った。

 2Qの見通しは以下の通りである。
(1)大型パネルの出荷量は、QOQ+15~18%(「high teen」)、うちテレビはQOQ+6~8%(「high single digit」)、ASPはQOQ横ばいか若干の低下
(2)中小型パネルの出荷量はQOQ+11~13%(「low teen程度」)、YOYでは2桁成長を見込む
(3)稼働率はフル稼働に近い95%程度を維持
(4)パネル需給はテレビ向け、中小型は逼迫が続く、事業環境は2Q、3QとQOQ改善が続く
(5)在庫水準は低下する見通し