2013年4月17~20日の4日間、「INTERMOLD2013/金型展2013/金型プレス加工技術展2013」が東京ビッグサイトで開催された。その中で多くの来場者から注目を集めていた技術の1つが、「デジタルシボ」という加工技術だ(関連記事)。

 シボとは、樹脂部品や金型の表面に形成する微細な模様のこと。金型の表面に形成したシボを樹脂成形品に転写することで、皮のような見栄えやデザイン性の高い模様(装飾用のパターン)を付加することができる(図)。金型の表面にエッチングを施すことで微細な模様を形成するのが一般的だが、これを、CAD/CAMのようなデジタル技術と、切削や放電加工、レーザ加工といった機械加工技術の組み合わせで実現するのがデジタルシボだ(特集・解説「デジタル『シボ』で格好いい樹脂部品」)。

シボ加工の例
左が牧野フライス製作所の試作品。皮のような見栄えを付与したもの。右が森精機製作所の試作品。装飾用のパターンを付与している
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 デジタルシボは従来のエッチングによる方法と比べて、(1)熟練者に頼らなくてもより自然なシボを付けられるようになる、(2)シボ加工業者が提供している既存の装飾パターンにはないシボにも対応しやすくなる、(3)製作する金型ごとにシボの模様が変化しない、(4)マスキングテープやエッチングのための酸性の液といった産業廃棄物が出ない、(5)加工シミュレーションや模様の修正が容易になる、といった利点がある。