台湾のTFT液晶パネル大手の一角を占める台湾AU Optronics社(AUO)と台湾Innolux Display社(群創電子)が、2013年2月のパネル出荷数量、売上高、および稼働率を明らかにした。詳細は後述するが、両社とも大型パネルの生産において、高い稼働率を維持している。

AUO、大型パネルの1~2月累計出荷量はYOYで3%減

 台湾AU Optronics社(AUO)は、2013年2月の大型パネルの出荷数量が790万枚と対前年比(YOY)で17.1%減、対前月比(MOM)で7.2%減だった。また、同社の同年1~2月の大型パネルの累計出荷量はYOYで3%減、同年2月の売上高は277億3300万新台湾(NT)ドル(YOYで0.8%減、MOMで3.0%減)、同年1~2月の累計売上高はYOYで13%増だった。

 同社の生産状況については、大型サイズ、とりわけテレビ用パネルを中心に生産する第8世代(G8)ラインやG7.5ラインで高い稼働率を維持した。稼働率は営業日数が少ない2月は一服だが、3月以降、再度上昇基調をたどっている。G7.5ラインは週によって差はあるものの、2012年10月以降、9割を超える稼働率となっており、2013年明けには14万枚超と実質上限に達している。G8ラインに関しては46/55インチなど大型サイズが一定水準の生産を維持していることに加え、42/21.5インチの共取り生産も始まり、稼働率は8割超を維持した。G6ラインも同社が注力している65インチを増産、稼働率は2月に一旦7割程度に低下したが、3月に入ってから上昇基調を維持している。

 一方、ノートブックPC(NB)やモニターの不振により、同社のG5ラインおよびG6ラインの一部は依然、相対的に厳しい。しかし、歩留まり問題などで苦戦してきた「iPad Mini」(米Apple社)向けが1月から大増産を開始、他ブランドへのタブレット用パネルの供給も上向いている。NBやモニターの想定以上の不振が続くものの、稼働率はG5ライン全体で2月に一旦7割台に低下したものの3月は8割超の稼働率に回復している。

 テレビ(TV)用については、同社の推定合計出荷数量は230万枚と、MOMで9%減、YOYで5%減だった。2013年1~2月の累計では、同社のTV用の出荷数量はYOYで6%増とほぼ市場並み。単一サイズでは依然32インチが最も多くは70万枚。39/50インチなどの新サイズは増産を図っているものの、両サイズとも台湾Innolux Display社(群創電子)の半分以下と後塵を拝している。

 中小型については、同社の2013年2月の出荷数量は930万枚と、YOYで29.3%減、MOMで3.0%増、同社の同年1~2月の累計出荷量はYOYで22%減だった。