半導体前工程(ウエハー処理工程)の製造請負企業(ファウンドリ)であるTaiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)と台湾United Microelectronics社(UMC)、および半導体後工程のファウンドリである台湾Advanced Semiconductor Engineering社(ASE)と台湾Siliconware Precision Industries社(SPIL)が、2013年3月の業績を明らかにした。これら4社の2013年3月の売上高は、スマートフォンやタブレット端末が牽引し堅調に推移した。

28nmプロセス採用のLSIへの旺盛な需要で好調なTMSC

 前工程ファウンドリでは、TSMCが2013年3月の売上高で441億3400万新台湾(NT)ドル(YOYで18.9%増、MOMで7.2%増)と好調だった(同社の同年1~3月の累計売上高はYOYで19%増)。先端とされる28nmプロセスに対する需要が旺盛で売り上げの急増が続いており、スマートフォン、タブレット向けのアプリケーション・プロセッサなどが牽引役となった。特に中国市場向けに関しては同社の想定を大きく上回る需要が続いており、全世界的に先端プロセスを採用したLSI需要が高まっていることが、同社の業績にプラスに作用している。

* 2月には旧正月があり値が低めに出るため、3月はその反動でMOMが大きくなる。このため、1~3月累計のYOY比較の方が動向を的確に把握できるとの考えから併記した。

UMC、28nmプロセス分野で伸び悩むリスクも

 TSMCと同じ前工程ファウンドリのUMCについては、2013年3月の売上高は95億9900万NTドル〔対前年比(YOY)で6.9%増、対前月比(MOM)で9.9%増〕だった(同社の同年1~3月の累計売上高はYOYで5%増)。UMCは、同年2Qの売上高に関しては、28nmプロセス分野においてTSMCと米GLOBALFOUNDRIES社の攻勢を受けて伸び悩むリスクがあると指摘されている。ドイツ銀行グループではUMCの28nmプロセスの売り上げ比率が同年4Qに5%に上昇すると予想するが、それでも絶対額ではTSMCの2~3%にすぎず、両社の格差拡大は止まらない。