今回紹介する書籍
題名:中国人的価値観
編者:宇文利
出版社:中国人民大学出版社
出版時期:2012年11月

 『中国人の価値観』の最終回は、いま日本人が中国人のニュースに接する際に最も多く関係するタームである「愛国心」と「経済」に関する価値観について本書を読み解いてみよう。

 本書では愛国心について、「政治と価値観」という章で触れている。本書の記述によれば、人間というのは本来政治的な動物であり、政治と家を治めることは大変に似ているという。記述は次の通りだ。

「中国人の政治に対する価値観において最も押さえておかなければならない点は中国社会における家という概念と国という概念だ。長い伝統的社会の中で育まれてきた家と国は同じ構造、家と国は一体のものという考え方により、中国人にとってこの二つは厳格な区分がなくっている」