2012年の後半から、テレビ番組や新聞、雑誌などで「3Dプリンタ」という言葉を多く見かけるようになりました。そんな中でたびたび話題になるのが、3Dプリンタの定義です。最近、これだけ盛り上がっている背景の1つには、10万円前後の低価格機が登場したことがありますが、これらの装置と、数百万円や1000万円以上する装置を同列に語るべきではないという意見を聞くことがあります。

 確かに、1000万円の3Dプリンタでできることを10万円前後の3Dプリンタでできるかのように報道することは問題がありますし、もし、そう勘違いして低価格3Dプリンタを購入したユーザーはがっかりしてしまうでしょう。しかし、機能が高くなれば価格も高くなってしまうのは当然のこと。価格の高低で3Dプリンタか否かを議論しても意味はないように思っています。

 実際、工業用途で使えるような高性能な3Dプリンタの価格も下がってきています。今では100万円台で買える3Dプリンタと同等の性能の装置は、数年前には数百万円していました。今の10万円台の3Dプリンタの性能も間違いなく、どんどんと上がっていくはずです。

 このように、価格と性能の関係が変わっていく中、私はあえて「3Dデータから、断面形状を積み重ねて立体造形物を作る装置」、つまり3次元積層造形装置を全て3Dプリンタと呼んだらどうかと考えています。異論がある方も多いとは思うのですが、造形方法の違いで呼び方を変えるよりも、「3Dプリンタの中にはいろいろな方法があり、機能面でも差がある」として、それらの特徴を明らかにしていった方がユーザーに分かりやすいのではないでしょうか。

 日経ものづくりでは現在、「3Dプリンタの利用実態」というテーマでアンケート調査を実施中です。2013年4月25日の14時にアンケート回答サイトをお知らせする告知メールを発送したところ、数時間で200人を超える方々から回答を頂きました。回答の締め切りは2013年5月8日(水)です。まだの方は、是非、以下のアンケート用URLにアクセスしていただければと思います。

【回答サイト】 https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C018737iQ.html  

 なお、アンケート結果は分析を加えた上で日経ものづくり2013年6月号の「数字で見る現場」*に掲載する予定です。雑誌の発行前に、このコラム(ものづくりエディターズ・ルーム@白金)でもアンケート結果の一部をお知らせいたします。

* 日経ものづくりに毎号掲載している「数字で見る現場」では毎月、製造業や技術者にとって重要な話題を調査テーマとして選び、Web上でアンケートを実施しています