【C TYPE】疲労型プチうつ

頑張り過ぎの疲れがたたり体も心もパワーダウンイライラ、うつうつに不眠ならかなり危ないサインだ
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 心身ともに強いストレスがかかり続けたこの1年。心にストレスがかかっても、体が元気ならば、それを跳ね返すことはできる。ところが、震災以来の仕事の遅れや、売上の減少をカバーしようと、オーバーペースで仕事してきた人はそうはいかない。体が疲れているので、心にかかるストレスをまともに受けてしまうのだ。

 ちょっとしたことでイライラし、人に指摘されてへこむことが多い、お酒を飲まないと眠れない、寝ても夜中に目が覚めるそんな状態が続いたら要注意だ。もしかすると、それは「疲労型プチうつ」かもしれない。

 「うつのキーワードは『重さ』。気分が重い、体が重いと感じたら、危険なサイン」と語るのは、精神科医であり、自治医科大学精神医学教室講師の西多昌規さんだ。そうした疲労感、倦怠感が睡眠によってリセットされることなく、蓄積していくとまた一歩うつに近づいていくという。

 「遅刻や欠勤を2回、3回と繰り返すようになると、本格的なうつ病だ。放っておくと自殺にまで進行する恐れがあるので、ぜひ専門医に相談してほしい」(西多さん)

 また、最近の研究によれば、「うつになると脳の神経細胞が減少したり、記憶に大きな役割を持つ大脳辺縁系の海馬の体積が減少することがわかってきた」と西多さん。アルツハイマー型認知症と似たような状態ともいえる。

 うつというのは、単に気分が滅入るというだけの現象ではなく、生命機能にも悪影響を与える厄介な病気なのだ。