図1●最初の基調講演を務めた東京大学教授の西成活裕氏。数学の中でも非線形は「日本のお家芸だ」と明かし、「技術の現場で使わない手はない」とアドバイスしました。
図1●最初の基調講演を務めた東京大学教授の西成活裕氏。数学の中でも非線形は「日本のお家芸だ」と明かし、「技術の現場で使わない手はない」とアドバイスしました。
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 ちょっと報告が遅れましたが、日経ものづくりをはじめ、日経エレクトロニクス、日経Automotive Technology、Tech-On!の4媒体で2013年3月22に開催したセミナー「JTNフォーラム2013 Spring 日本の製造業復活の芽はここにある~新市場を創出する技術・部品を厳選して徹底解説」が無事終了しました。会場まで足を運んでくださった100人以上の受講者の皆様、本当にありがとうございました。

 今回のイベントでは、午前の部で基調講演3本、午後の部で「エレクトロニクストラック」と「ものづくりトラック」の2つに分かれて各4本の講演を実施。日経ものづくり編集部は、12人の講師陣のうち6人の講師の招へいを担当しました。

最強だからこその難しさ

 講師陣の招へいに当たり、最も苦心したのは講師陣のスケジュールの確保です。編集部員は一丸となって「最強」の陣営をそろえようと動きましたが、最強にこだわればこだわるほど、講師陣のスケジュール確保が難しくなりました。ただでさえご多忙な方々ですから、6人全員のスケジュールを同じ日に確保するのは至難の業。でも、講師の方々には無理を言ってご調整いただき、最強の講師陣をそろえることができました。

 イベントのトップバッターは、「渋滞学」で知られ、技術者が活用できる数学本を日経ものづくりから出版した東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏に務めていただきました。テーマは「数学で技術者は強くなる」(図1)。内容もさることながら軽妙な語り口で、受講者は「目からウロコ」「非線形など技術の現場で活用できる数学があることを知った。早速、試してみたい」と感心しきりでした。

 元ホンダの技術者で、日本初のエアバッグの開発に成功した中央大学大学院戦略経営研究科客員教授の小林三郎氏、愛称「サブちゃん」の講演にも、受講者から賞賛の声が寄せられました(図2)。“べらんめえ調”でホンダのイノベーションを生む仕組みとスピリットを語る姿に「思ってもみなかったような独創的な考え方を聞けた」「元気が出た」などの感想が寄せられました。

 午後のものづくり・トラックの講師陣も豪華な顔ぶれとなりました。ソニーやキヤノンの工場を再建したことで知られるムダとりコンサルタントの山田日登志氏をはじめ、町工場を引っ張る敏腕女性経営者のダイヤ精機社長・諏訪貴子氏、富士通のパソコン事業のキーマンであるパーソナルビジネス本部本部長代理(生産担当)・内藤真彦氏、トヨタ自動車のベテラン生産技術者である工程改善部長・中村尚範氏という第一線で活躍する方々です(図3)。

豪華な講師がそろった3つの理由

 今回、これだけの講師陣をそろえることができたのはなぜか、私なりに理由を考えてみると、3つあります。1つめに、部員全員が日頃から人脈づくりに努めていること。2つめに、目的を果たすために協力し合える体制が編集部内にあること。例えば、講師の招へいに直接、携わっている記者が手一杯のときは、別の部員がその記者の作業を手伝う場面が見られました。そして最後に、部署の垣根を越えた協力体制があること。今回のイベントでは、販売を担当する部署と強力な連携体制を築けたと思います。

 社外の人脈、部内の連携、部署の壁を越えた連携の3つは、イベント開催だけではなくあらゆる事業で活用できる「連携力」です。今後もこの連携力を生かし、皆様に有益なコンテンツをご提供できればと考えています。

図2●中央大学客員教授の小林三郎氏が講演する様子を撮影する記者たち。撮影した写真は講演録と合わせて、Tech-On!プレミアム会員向けのコンテンツにも活用しました。
図2●中央大学客員教授の小林三郎氏が講演する様子を撮影する記者たち。撮影した写真は講演録と合わせて、Tech-On!プレミアム会員向けのコンテンツにも活用しました。
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図3●ものづくり・トラックで特別講演を務めたムダとりコンサルタントの山田日登志氏。同氏の招へいに携わった筆者は当日、パソコンの操作を担当しました。
図3●ものづくり・トラックで特別講演を務めたムダとりコンサルタントの山田日登志氏。同氏の招へいに携わった筆者は当日、パソコンの操作を担当しました。
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