金型基地「沖縄」などにも高い関心

 今回のアクセスランキングで第2に入ったのが、「第1回 技術競争力を高める『3つの力』」という記事だ。これは『日経ものづくり』2012年4月号に掲載された特集「世界への架け橋 金型基地『沖縄』」を転載したもの。一度は失いそうになった国際競争力を取り戻そうとする金型メーカーの中に、新たな拠点として沖縄を選ぶ企業が増えていることに注目した記事である。そうした企業は、なぜ“意外”にも沖縄を選んだのか。第1回では、その背景を紹介している。

 その他、今回は、コラム「キーワードで読み解く最新トピック」の記事が2本、トップ5にランクインした。第3位の「生活支援ロボットの安全規格『ISO/DIS 13482』」と第5位の「摩擦攪拌接合」である。

 生活支援ロボットは、介護や福祉、家事など人々の生活環境(空港や病院、歩道などの公的空間、オフィス、住居など)に入り込んで人間を支援するロボットのこと。少子高齢化が進む現状において、新たなメシの種の1つの有力候補だ。人から隔離して使う産業用ロボットとは異なり、人と接する機会が多いため、ロボットの使い手やその周囲にいる人々の安全性をいかに確保すべきかが課題とされている。

 そこで、作業が進められてきたのが、生活支援ロボットの安全性に関する国際規格「ISO/DIS 13482」(原案)や安全基準の整備である。記事では、そうした国際規格(原案)の認証を、国産ロボットスーツ「ロボットスーツHAL福祉用」〔CYBERDYNE(本社茨城県つくば市)〕が世界で初めて取得したことや、安全性の観点から生活支援ロボットにはどのような配慮が必要なのか、同規格(原案)ではどのようなことが規定されているか、などの概要について紹介している。

 一方、摩擦攪拌接合は、低コスト化や軽量化などに大きく貢献する可能性のある接合技術だ。異種材料の接合に有効な技術とも目されており、部位ごとに適材適所の材料を選択することで軽量化を図れるなどの効果が期待できる。ただ、従来は量産レベルでは、アルミ合金や銅合金、マグネシウム合金のような低融点の金属に適用が限られていた。その適用先が鋼などのより高融点な金属へと広がり始めている。第5位の記事では、その背景と摩擦攪拌接合の原理などについて解説している。