大手メーカーが学ぶべきこと

 まずは、本当に楽しいサービスを提供することに注力し、多くの利用者を獲得する。収益化は、その後についてくる。インターネット業界では、当たり前になったビジネスの展望を見据えている。「いずれは、海外に」という思いもある。ただ、それは国内の基盤を固めてからと考えているようだ。

 「6人しかいない社員を、どの仕事に割り当てるか考えると、他言語対応の機能の自社開発は将来の課題になります。でも、日本語を先にクリアしておけば、後はそこまで難しくないのではないでしょうか。例えば、英語はコンピュータが文章構造を比較的把握しやすいんです」

 興隆するソーシャル・メディアやWebサービスの基盤を生かした製品開発で、大手メーカーの歩みは遅い。それを尻目にWebサービスの世界では、大きなパラダイム・シフトが起きている。大学院生活を終えたばかりの若い起業家が新たなうねりを起こしつつあるGunosyの例は、それを象徴する。

 Gunosyという名前は、ギリシャ語で「知識」を意味する「gnosis」に由来するという。この言葉に英語の「you」を盛り込み「あなたに知識を届ける」という思いを込めた。

 サービスの企画でリスクを取り、「楽しい、面白い」というユーザー体験を追求したWebサービスが100万人のユーザーを獲得する。それが現実になるとすれば、尖った製品が出てこない大手メーカーが真摯に学ぶべき点は多い。