「日本は、技術の国」――。

 長らく、そう言われ続けてきた。天然資源の少ない日本が発展するための道は、技術立国しかないのだと。だが、その基盤が揺らぎ始めたと指摘する声が世にあふれている。いわく、「日本の技術力は低下していないか」「国内の技術開発は空洞化が進んでいる」「技術の国は、これからどうなってしまうのか」…。

 では、日本の技術は本当に危機なのか。答えは「否」だろう。目の前に解決すべき課題が存在する限り、技術者の挑戦は続く。そこに技術があるからである。そして、技術の課題は必ず乗り越えることができる。

 その時に大切なのは、自らが開発した技術をいかに価値に変えていくか。このことを、いままで以上に真剣に考えるべき時代がやってきたということだろう。新しい技術、新しい製品企画、新しいビジネスモデル…。日本発でイノベーションの創出に挑む製品やサービスの技術や企画、それを生み出した開発者、経営者の思いを紹介していく。