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JTNフォーラムレビュー

電気自動車は“勝つか、負けるか”

SIM-Drive 執行役員 車輌開発統括部長 眞貝知志氏の講演から(2)

  • 高橋 史忠=Tech-On!
  • 2013/04/24 00:00
  • 1/2ページ

 2013年3月22日に開催された「JTNフォーラム 2013 Spring ―― 日本の製造業復活の芽はここにある」の基調講演に登壇した眞貝知志氏。新しいビジネスモデルで電気自動車(EV)の開発に取り組むSIM-Drive(シムドライブ)の執行役員を務める人物だ。EV技術の開発に懸ける思い、そして同社が開発を進める最新技術を語った。

 SIM-Driveの眞貝知志氏がJTNフォーラムで講演してから5日後の3月27日。同社は、第3号の先行開発車「SIM-CEL(シムセル)」を公開した。2015年ごろの量産を想定した先行開発車の試作が目的で、加速性能を高め、スマートハウスとの連携技術を盛り込んだ。開発には、26の企業や団体が参加した。

 第3号車の加速性能は、100km/hに達するまでの時間が4.2秒と短い。持ち運び可能な充放電装置や、家庭用コンセントによる充電機能、インターネット上のエネルギー管理システムと通信する機能などを備える。

SIM-Driveの第3号の先行開発車「SIM-CEL(シムセル)」

 第3号車は「ハイパフォーマンスでかなりぶっ飛んだ性能」と眞貝氏。「第1号車から第3号車までを開発したことで、EVに関連した技術がだいぶ蓄積できた」(同氏)という。こうした尖った性能を持つEVの先行開発から参加企業・団体が得られるものは、単に開発経験を持ち帰るだけではないというのがSIM-Driveの見立てだ。

 例えば、化学素材メーカーのクレハとクラレの合弁で2011年4月に設立した「クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン」。EV用2次電池の負極材の開発を進める企業だ。「同社のように新しい技術を開発する企業同士のアライアンスが、SIM-Driveをハブに生まれている」(眞貝氏)。技術だけではなく、企業間の垣根を越えた参加企業による連携も共同開発による成果として見えてきているというわけだ。

自動車ビジネスの大きさを改めて感じている

 「SIM-Driveの事業を進めながら、自動車ビジネスの大きさを改めて感じている。自動車業界のビジネスを支えている部品メーカーは、自動車メーカーが何を求めているかわからないと話すことが多い。自動車メーカーに技術を提案しても、『○』か『×』でしか評価が戻ってこないため、技術開発の方向性を判断する材料がない。SIM-Driveの先行車開発に参加することで、部品メーカーが何をすべきかという指針づくりに役立つと考えてもらえている」(眞貝氏)。

 2014年3月までに進める第4号車の開発プロジェクトでは、14の企業・団体が参加。さらに新しい技術を先行開発する。例えば、インホイールモータのトルクを車輪ごとに独立して制御する技術だ。「既存の制御技術に比べて、圧倒的に正確でスムーズな制御が可能になる」(眞貝氏)という。

 この技術が生きるのは、高速道路や、雨・雪で滑りやすい路面での安全性の確保だ。「横滑り防止装置(ECS)の技術認証基準をモータだけでクリアする。加えて、車両が転倒することを防ぐ耐転倒性も高まる。衝突しそうな物体を避けるハンドルさばきでも、スピンすることなく停止できる。第4号車の開発が終わるころには、かなり面白い技術を提案できそうだ」と、眞貝氏は自信を見せる。

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