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 2.5次元/3次元ICが高性能サーバーやゲーム機向けに市場に出回りだし、3次元TSV(Si貫通ビア)のプラットフォームが今後5年間で380億米ドル成長すると見込まれている。こうした状況下でサプライ・チェーンは、ますます不安定になっている従来型の純粋なIDM(integrated device manufacturer:垂直統合型デバイス・メーカー)と、それに対抗する純粋なファブレス企業とSiファウンドリ、そしてOSAT(後工程受託メーカー)という図式を見直し始めている。

 当初はIDMに利点があった。なぜなら、彼らはTSVの工程全体を自社内で開発・管理できるからだ。しかし、28nm工場のためのコストが約60億米ドルに上昇していることや、ますます複雑になっている中間工程と後工程、組み立て、そしてテストに用いられる新たな技術を開発するためのコストにより、採算の取れる投資収益率を生み出すだけの量産を行える企業は、ほとんど存在しなくなるだろう。
 解決策は、Siファウンドリ事業を持って工場をフル稼働し続けるか、工場を少なくして生産の一部を外部委託することだ。韓国Samsung Electronics社は米Apple社の「A4」や「A5」のプロセサのSiウエハーからダイ、そしてパッケージまでの工程を担当していて、今後、中間工程や2.5次元インタポーザ、3次元ICパッケージングも担当できるようになるだろう。韓国SK Hynix社や米Intel社といったIDMは、絶対に必要なレベルの生産量を達成するために、前工程と中間工程、後工程のすべてを含む完全な加工サービスを提供するかもしれない。ネットワークや自動車、産業向けといった用途に使用されるASICなどの市場では、伊仏STMicroelectronics社のようなIDMがSiファウンドリでの製造サービスを提供できるかもしれない。同社はCMOSと3次元ICのラインを所有していて、そして後工程も自社で提供できるからだ。