よりきめ細かくデータを管理

 第2の動向として、よりきめ細かな形でデータを管理したり、処理したりすることが挙げられる。より分かりやすくユーザーに情報を提示することにつながる。Dassault Systemes社の「ENOVIA」やSiemens PLM Software社の「Teamcenter」でこのような動きがみられる。

 ENOVIAでは、ファイルよりも細かい単位でデータを管理する。「CATIA V6」をはじめとした「V6」アプリケーションのデータはファイル単位ではなく、形状や機構、材質といった単位で、データベースに格納される。これにより、アプリケーション同士が細かい単位でデータを共有できる。例えばCADで機構を設計したら、その情報がデータベースに書き込まれ、それを直接利用して機構解析ツールが計算を実行する、といったことが可能になる。

 通常のデータ管理機能では、アプリケーションのデータをファイル単位で管理する。従ってファイル内の情報は、そのファイルを開けるアプリケーションがなければ扱えない。しかしENOVIAは細かい単位で情報を直接管理し、アプリケーションに供給できる。さらに、さまざまなアプリケーションのデータにまたがる処理を実現しやすくなる。

 Dassault Systemes社は、この仕組みを基に、ENOVIA内の3Dモデルでさまざまな物理現象をより細かくシミュレーションしたり、デザインをよりリアルに見せたりすることを目指す。この考え方を同社は「3DEXPERIENCE」と呼んでいる。