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PICK UP DIGITAL

PLMツール

多様で複雑な情報を管理 業務の文脈に沿って整理して見せる

  • 木崎 健太郎=日経ものづくり
  • 2013/04/01 00:00
  • 1/7ページ

 PLM(Product Lifecycle Management)ツールは、製品の企画、設計、生産、保守に関わる情報を管理し、その情報を業務に携わる人に適切に提供して、スムーズな業務進行を支援することを目的としている。中核となる機能は、製品設計情報(技術文書やCAD/CAEなどのデータ)とBOM(Bill of Materials、部品表)のデータを保持し、検索と表示の手段を提供する「データ管理機能」だ。そのデータ管理機能から情報を受け取って加工したり、編集処理したりしてデータ管理機能に情報を戻す「アプリケーション機能」が協調動作する、というのが多くのPLMツールの仕組みである(図1)。

図1●PLMツールの全体像
「PTC Windchill」(米PTC社)の例。中心がコア部分(データ管理機能)で、周辺がアプリケーション機能に当たる部分。アプリケーションはPTC Windchillのモジュールである場合もあるし、独立したソフトである場合もある。
[画像のクリックで拡大表示]

 もともと、1990年代前半に、機械設計分野のCADデータの管理と検索のためのツールとして、主にCADベーダが開発したツールが起源といえる*1。検索機能の充実、大容量データを扱うときの動作スピードの高速化、インターネット関連技術への対応といった機能向上を図り、現在まで発展してきた(一覧表)。

*1 機械設計に関するデータを主な対象とする管理ツールをPDM(Product Data Management)ツールと呼ぶ。ここでは機械設計以外のデータも管理するツールを合わせて「データ管理ツール」(その機能を「データ管理機能」)ということにする。「データベース管理システム(DBMS)」は、データ管理ツールの内部にあって、主に文字や数値の情報(部品名、部品番号、図面番号、改訂バージョン、納期、取引先など多岐にわたる)から成るデータベースを管理するシステム(米Oracle社の「Oracle」や米Microsoft社の「SQL Server」といった市販ツールを使うことが多い)を指す。
一覧表●PLMツールの例
製品名 開発会社 概要 連絡先
Aras Innovator 米Aras社 オープンソースのPLMツール(ライセンス費用がかからない)。データモデルとWebサービスを統合する「データモデルSOA(サービス指向アーキテクチャ)」に基づくツール。データモデルをXML(Extensible Markup Language)で記述するとWebサービスとして利用できる。データモデル変更時の再構成(コンパイルやリンク)が必要なく、機能の変更や追加が容易。 アラスジャパン
Autodesk PLM 360 米Autodesk社 データ管理ツール「Autodesk Valut」を中核として、調達管理、製造プロセス管理、設備管理、販売・マーケティング、保守、ビジネスプロセス管理といった、データ管理以外のPLMの機能をクラウドで提供することにより、導入を容易にしたシステム(日本では未発売)。 オートデスク
ENOVIA V6 仏Dassault Systemes社 データベース管理システムで3D-CAD「CATIA」、シミュレーションツール「SIMULIA」といった“アプリケーション”のデータを直接管理する〔API(Application Programing Interface)経由であり、ファイル管理ではない〕。この上で、物理現象に基づく製品の挙動やデザイン面での製品の見え方などをシミュレーションして提示することにより、製品開発を支援する「3D EXPERIENCE」の実現を図る。 ダッソー・システムズ
e-OpenPDM Collaboration Suite コア 文書とBOMの管理機能を中心として、繰り返し生産または受注生産の業務に沿って支援機能を備えた、Webベースのツール。オプションとしてCADデータ管理、環境情報の管理と処理などの機能を備える。電通国際情報サービスの「PLEXUS」は、e-OpenPDMをクラウド向けに改良し、SaaS(Software as a Service)として提供するもの。 コア
Obbligato III NEC CADデータ管理とBOM管理機能を中心として、企画段階のBOM、プロジェクト管理、化学物質管理、ソフト情報管理もカバーするように発展させたツール。クラウドに対応。Saasでも提供している。 NEC
PLEMIA 富士通 データ管理ツール「PLEMIA M3」「PLEMIAグローバルエディション」を中核として、CAD、バーチャル・モックアップツール、仮想量産試作ツール、技術支援のためのクラウドサービスなどを合わせてPLMソリューションとしている。PLEMIA M3は、機械・電気・ソフトの情報を連携させた形で管理でき、コストと開発スケジュールについて計画とのズレを監視し、問題への早めの対処を目指したツール。PLEMIAグローバルエディションはアーキテクチャをSOAベースとし、構想設計支援機能、仕掛かり管理機能、プロジェクト管理機能などを追加した。 富士通
PreSight 図研 BOMを設計段階から管理し、コストなどのシミュレーションを早期に実行できるようにすると同時に、設計から製造へのBOMを介した情報移転をスムーズに進めることも重点としたツール。BOMの構成要素の3DモデルをXVL形式で保持し、立体表示する機能を持つ。 図研
PTC Windchill 米PTC社 製品設計情報とBOMに加えて要求仕様、組み込みソフトも管理対象にできるツール。複雑な相互関係のある情報をグラフィカルに表示できる。3D-CAD「Creo」との間でBOMを共有する機能、部品間の干渉チェックの機能をCADとは別に実行する機能、開発対象のコストや環境性を評価する機能なども備える。 PTCジャパン
Teamcenter 米Siemens PLM Software社 データベース管理システムに製品構成管理、要件管理、1次元シミュレーション、工程シミュレーションなどを想定したデータモデルを用意。この上で、ユーザーの状況(役割分担)、設計対象の状況(コンフィギュレーション)、業務の状況(コンテキスト)によって情報を自動的に選別し、ユーザーに提示する機能(HD-PLM)の実現を図る。機械、電気、ソフトの情報を統合して管理する。 シーメンスPLMソフトウェア
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