世界で生まれる新しい技術の潮流に、いかにして挑戦していくか。
Tech-On!のテーマサイト「クルマ」で、この1カ月間(2013年2月26日~3月25日)に読者の関心を集めた記事は、「チャレンジャー」としての日本メーカーを扱った長編の解説記事でした。
アクセス数の第1位は、『日経Automotive Technology』の清水直茂記者が書いた自動運転に関する記事「自動運転車は諸刃の剣 ―― トヨタの苦悩、グーグルの野望」。何とも刺激的なタイトルです。
この1~2年ほど、米国を中心に盛り上がる自動運転車の開発競争を真正面から取り上げた力作。開発で先頭を走る米Google社の取り組みを軸に、欧米の自動車メーカーの取り組み、そしてトヨタ自動車の悩みを分析しています。自動運転の技術開発を積極的に推進するインターネット企業に、自動車メーカーとしてどう向き合うか。つまり、いかにチャレンジしていくかというわけです。
「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」。
これが、Google社が掲げる会社の使命。創業からのサービスであるインターネット検索は最も分かりやすい例ですし、地図では単なる地図データに飽き足らず、物議を醸しつつも「ストリートビュー」では風景を自らデジタル化し整理しています。動画共有サイト「YouTube」もその一つ。世界中のインターネット利用者が投稿した動画を整理する基盤を提供しているわけです。
Google社にとって、「世界中をデジタル化し、整理する」元手は、インターネット検索のキーワードやWebページの内容に関連した広告を表示する、「検索連動型広告」や「コンテンツ連動型広告」が生み出す巨大な収益。巨額の資金を背景に、無料で提供するサービスを作り上げるという技術開発のモデルが成り立っています。とても分かりやすい使命を、全社を上げて具現化しようとしているところがGoogle社のすごさでしょう。