干渉問題回避のための知恵出しを支援する

 次に重要となるのは、部品間に干渉があった場合、それをどう解決するかという知恵出しの支援である。このためには、干渉部位を分かりやすく表示する仕組みが必要だ。XVL Studio Proにはリストアップされた干渉部位を選ぶだけで、2Dと3Dで同時に干渉断面を確認する機能がある(図5)。さらに干渉部分を中心に360°あらゆる角度から干渉部の断面を見せることができる。面白いことに、設計者はしばしば2Dの断面図を見て問題点を議論し、どちらの部品をどう動かすのかといった問題解決策を決定する。2Dの断面に設計者の意図が表現されているからだ。

図5●3Dと2Dで同時に干渉をチェックする
図5●3Dと2Dで同時に干渉をチェックする
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 昨今、重要性を増しているのがクリアランス(隙間)のチェックである。たとえば、自動車業界ではハイブリッド車や電気自動車の販売が盛んである。これらの車はガソリンエンジンが始動していなければ走行中も大変静かだが、もし部品間に意図しない隙間があると、速度を上げていくに従い風を切る異音がしてくるはずだ。このような問題を回避するには、設計段階のDRで隙間部分を徹底的にチェックしておく必要がある。

 図6にXVL Studio Proの提供する隙間の検出と表示機能を示した。この図にあるように、指定された距離以下にある部品のペアがリストアップされ、それを指示すれば、部品間の距離に応じてカラーマップ表示される。ぶつかりそうな距離は赤、注意すべき距離は黄色といったように表示されるので、問題点が明確になるのだ。さらに、問題箇所は2D断面と3Dで同時に表示することにより、解決策を考えるのに十分な情報を提供できるようにしている。

図6●3Dと2Dで同時に隙間をチェックする
図6●3Dと2Dで同時に隙間をチェックする
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