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産業機器・部材
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 「HFC32の問題は大きく二つある」

 今回のアクセスランキングでトップとなった「新冷媒HFC-32」を書く1つのきっかけになったのが、環境エネルギー政策研究所が2012年10月11日に出した声明・共同プレスリリース「エアコン冷媒、HFC32への転換は本質的解決ではない~自然冷媒への転換こそ真の持続可能な社会への道筋~」です。冒頭の一文は、実はこのプレスリリースに登場する文言です。

「微燃性」なのに「極めて可燃性の高いガス」の謎

 同プレスリリースでは、HFC-32の第1の問題として、以下のような点を指摘しています。

 「HFC32は、『極めて可燃性・引火性の高いガス/加圧ガス:熱すると爆発するおそれ/常温では極めて安定であるが、裸火等の高温熱源に接触すると熱分解して、フッ化水素(HF)およびフッ化カルボニル(COF2)等の毒性ガスを発生する』といった性質を持ち、分解した際に猛毒のフッ化水素を発生するなど人体にとって非常に危険性が高い」(同プレスリリースからの抜粋)

 しかし、このプレスリリースを拝見する前に私が閲覧していたダイキン工業のホームページ(具体的には「将来の冷媒候補について」というページ)には、それとは異なったことが記載されていました。すなわち、HFC-32には「わずかな燃焼性がある」とあったのです。

 一体、HFC-32は極めて可燃性・引火性の高いガスなのか、それとも微燃性のガスなのか--。どちらかが間違っているということか--。それとも、いずれも正しいのか--。だとすれば、この差はどこから来ているのか--。そうした疑問が頭の中で大きく膨らんでしまったわけです。

 当初、私が新冷媒HFC-32に興味を抱いたのは、この新冷媒を世界で初めて採用したダイキン工業のルームエアコン「うるさら7」が、消費者に高い省エネルギ性を評価され、ヒットしていたからです。そして、そうした高い省エネ性の実現に、この新冷媒が大きく寄与しているとうかがったからです。そこで、ルームエアコンの冷媒として今後、HFC-32が主流になるかもしれないと考えた私は、HFC-32について調べ始めたわけです。そのとき偶然見つけてしまったのが、先の環境エネルギー政策研究所のプレスリリースです。

 「微燃性」なのに「極めて可燃性の高いガス」--。この謎に対する答えを知りたい方は、是非、この記事を読んでみてください。