Tech-On!のテーマサイト「産業動向」で、この2週間(2013年3月5~18日)に最もよく読まれた記事は、3月1日に公開した「【上海発 EMS通信】絶対王者の終焉」でした。3月6日に発表されたシャープと韓国Samsung Electronics社との資本・業務提携を受けての記事です。

 筆者の山田氏は、出資交渉が難航しているEMS最大手、Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕のお膝元である台湾メディアの対応から紹介しています。そして「スマートフォンとタブレット端末のApple」「EMSのフォックスコン」という、それぞれの業界に絶対王者として君臨した両社の時代が終焉しつつある、と話を締めくくっています。ここだけを読んだ方は、話が飛躍し過ぎてはいないかと思ってしまうかもしれませんが、要所要所に売上高や業界シェアなどのデータを引用することで、筆者の斬新なストーリー展開も納得できるものになっています。ぜひ、ご一読あれ!

 右側のランキング表に目を移すと、目立つのは中国関連の記事です。第2位、5位、19位は、永井麻生子(おあしすランゲージラボラトリー代表)氏のコラム「技術者に役立つ中国ビジネス書ガイド」です。本コラムは中国で出版され、話題になっているビジネス書を紹介することで、今の中国の真の姿を浮き彫りにし、中国との付き合い方を知ってもらおうという趣旨で始めたコラムです。今回はビジネス書の枠から出て、中国の中学生向け歴史教科書には何が書かれているのかを紹介しています。そして筆者は、「『中国は不当に虐げられてきたこと』『中国共産党統治の正当性』『中国の主張する領土の範囲』を知らしめようとしていることだ。ちなみに尖閣諸島については特に記述はない」と結論付けています。

 このほかにも中国を取り上げた記事は、第4位「【上海発 EMS通信】ついに始まった人減らし」、第6位「【技術経営戦略考】「政治と経済は別」はもう通用しない!? 強気な中国人の本音とは」、第16位「【インタビュー】その「中国離れ」、正しいですか?」がランクインしています。GDP世界2位の中国からは、これからも目が離せないですね。