連載主旨
日本企業が海外に設計や生産の拠点を置くことは当たり前の時代になった。それに伴い、グローバルに分散した設計・生産拠点をいかに機動的に活用できるかが重要になってきている。海外市場には多くの競合メーカーがひしめき、市場やビジネス環境はかつてないほどのスピードでめまぐるしく変化している。その中で競争に勝ち残っていくためには、変化をいち早く読み取って機動力高く立ち回っていくことが重要だからだ。そして、グローバルに分散する設計・生産拠点の機動力を高めるものとして、近年期待されているのが「グローバル統合BOM」である。設計情報がひも付いたBOMを部門や拠点の枠組みを超えて管理・共有することで、拠点間の機動的連携を可能とするものだ。本コラムでは、そうしたグローバル統合BOMが求められる理由と、グローバル統合BOMの全体像や構築に必要な取り組み、およびその構築のメリットについて紹介する。
川島 宏之 (かわしま ひろゆき)
Tech-On!特約ライター
外資系精密機器会社にて生産設計、生産技術、生産管理に従事。SI会社にてPLMのコンサルティング、システム導入を担当。コンサルティング・ファームで製造業におけるPLM、SCM関連のコンサルティングを手掛けた後、BOMをベースとした多角的な業務改革に関わる。